「earthの部屋」
〜水草を育てよう!!〜
光合成に必要なのは「水・二酸化炭素・光」!!
「さあ、水草も植えよう!!」
魚を飼っていれば、一度はそう考うことがあるはず。
水草が入っていたほうが見た目もいいし、
魚にとっても水草は安心を与え、隠れ家とも、産卵の場ともなり、
さらには、水質を安定させ、浄化し、酸素を出してくれる。
まさにいいことずくめ。

でも、ちょっと待って下さい。
「水草は難しい」って聞いたことありません??
うまく生育できず枯らしてしまえば、見た目が悪いだけではなく、
水質悪化の原因となり、最悪魚を殺してしまうことにもなりません。


本当は難しくはないのですが、水草を育てるにも正しい知識は必要です。
一番大切なのは、魚と同じで、品種選びと設備・手間のバランス。
熱帯魚でも、手軽に楽しみたければ、アカヒレを。
コップと汲み置きの水だけで育てられますね?
でもディスカスを繁殖させたければそうはいきませんね?
水草も同じです。

以下、目的ごとに水草飼育のポイントを。

ちなみに、どの場合でもいえることですが、
植物の主食は水・二酸化炭素・光。
肥料は本当に勢いよく成長してるときに、ほんの少し必要なだけで、
入れすぎはコケの大発生をもたらすだけでなく、水草に悪影響を及ぼします。
「弱っているから肥料を。」これは逆効果になるので注意。

◆魚のために、新たな手間や器具なしに、とりあえず水草をいれたい!!

この場合はアナカリス、カボンバ、マツモなどを植えると良いでしょう。
これらは「金魚藻」とも呼ばれる水草で、非常に丈夫で、まず枯れません。
生育も簡単で、魚が育っている環境であればまず問題なし。
底床に砂利や砂がひいてあれば、植え込んでもかまいませんが、
基本的には水中にそのまま入れ、浮かべておけばOK。
後は適度に光さえ当たっていれば勝手に増えてくれるはずです。
この場合は見た目より、機能重視です。

    
◆魚のためもあるが、ある程度は見た目にもこだわりたい!!

この場合は光量を確保できるかどうかで2パターンに分かれます。
・光量が十分に確保できない場合
植物は光合成によって栄養を作り出す。だから、基本的に光は不可欠。
しかし、中には弱い光でも光合成を行うことのできる陰性の植物もいます。
その分成長は遅いものの、ある程度の弱光下でも枯れず成長します。
アヌビアス・ナナやウィローモス、ミクロソリウムなどがそれらの代表。
成長が遅いので、なかなか増えず、販売価格も若干高くなりますが、
成長が遅いため、トリミングの手間がほとんどかからないメリットもあります。
ただし、成長が遅いため、水質浄化の機能はあまり期待できません。

・ある程度の光量が確保できる場合
単純に熱帯魚を観賞するためだけに必要な光量よりは強い光、
60cm水槽であれば20W蛍光管2本以上をを毎日きちんと当てられる場合、
一般的に生育が容易とされている水草であればまず育てられます。
ハイグロフィア・ポリスペルマやルドウィジア、アンブリアなどの有茎草、
バリスネアやサジタリアのロゼット状の水草も育てられます。
綺麗にレイアウトすれば、それなりに見ごたえのする水景が作れるはず。
できるだけエアレーションなしの浄化システムにしておくと、
二酸化炭素が逃げず、上手に育てることができます。
また、水道水には大量のCO2が含まれているため、水換えを頻繁にすることも大変効果があります。


◆本格的に水草を育てたい!!

この場合、二酸化炭素の添加は必要不可欠。
CO2の添加でほとんどの水草が生育可能になります。
ただし、夜間の添加は禁物。夜間は水草も酸素を消費します。
CO2添加方法と供給源は、初期費用とランニングコストを考えて決めましょう。

添加方法は大きく分けると、自然拡散方式と強制添加方式の2種類。

自然拡散方式は水槽内に逆さにしたコップのようなもの(拡散筒)を設置し、
その中にCO2を一日何回か入れ、自然に水槽内に溶け込ませる方法。
水槽内にある程度のスペースが必要で、かつ溶け込ませる量にも限りがあります。
それでもするとしないとでは大きな違い。手間はかかるが、安価な方法。

強制添加方式はCO2を非常に細かい泡にして水槽内に放つ方法。
もちろんとけきらなかったCO2は空気中に放出されますが、
自然拡散方式とは比べ物にならないほどのCO2を溶け込ませることができます。
リシアなどに酸素の泡をつけさせたいと思ったらこの方法しかありません。
ただし、CO2を細かい泡にするための器具はそれなりの値段がします。

CO2の供給源もいくつもあります。

最も安価と思われる供給源はイースト菌。
ペットボトルに少量の水と角砂糖とイースト菌をいれるだけ。
そのようなキットも販売されていますが、自作で十分でしょう。
この方法の難点は発生量を調整できないこと。
気温や角砂糖の残量などで発生量が変わってきます。
また、夜間は発生したCO2を使わずに空気中に放出しなければなりません。

次に安いと思われるのは、プッシュ式のスプレー缶。
ただしこれは初期費用のみの話で、ランニングコストは馬鹿高くなります。
出し続けることはできないので、拡散筒との組み合わせになります。
ちょっとCO2の効果を試してみたいという程度の使い道しかないですね。

効果とランニングコストを考えるならば、やはり高圧ボンベ。
強制添加方式をするならボンベを使うほかないでしょう。
ボンベには使い捨ての小型高圧ボンベと、業務用の高圧ボンベがあります。
ともに圧力と流量を調整する器具が必要となるため、初期費用がかかります。
ただ、さらに投資し、磁気弁やタイマーを組み合わせることで自動添加も可能です。
ボンベに入っている量は多いので、ランニングコストは大変低くなります。
設置する場所があるなら、よりランニングコストの低い業務用のボンベを。
詰め替え量は2・3千円。ボンベの点検とあわせても5千円程度。
これで軽く一年以上は持つはず。
特に大型水槽ならば専用台を使用するはずで、その中に入れれば問題ないかと。
(私の場合は比較的小型の業務用ボンベを使っていて、90cm水槽で1〜2年)
設置場所がなければ使い捨ての小型高圧ボンベを。
一本千円程度で、使い方にもよりますが、そこそこ持ちます。
(60cm水槽で贅沢に使って1〜2ヶ月)
ただ、やはりそれなりのランニングコストがかかります。
水槽のサイズによって使い分けると良いでしょう。

その他にも薬品?か何かを使って、CO2をより多く含ませるようにする製品もあります。
使ったことがないので効果のほどはわかりませんが。。
また、ドライアイスを補充することで繰り返し使用のできる小型ボンベもあるようです。
これらの中から、自分の目的に合った器具と方式を選びましょう。

さて、二酸化炭素が用意できたら後は何が必要か?
先に述べたとおり、光合成に必要なのは「水・二酸化炭素・光」。
水がないなんてことは起こりえませんから、あとはできるだけ光量は増やすと良いでしょう。
これで多くの水草は酸素を盛んに出しながら生育するでしょう。

ただ、これでも育たない、気難しい水草もあります。
この場合、底床を砂や砂利ではなく、ソイル系底床に変えましょう。
土を小さな粒に固めたもので、根張りが良く、また、水質を安定させる機能も持っています。
まあ、この場合、一度水槽の中身を全て出さなければならないので、大仕事となりますが。。
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